オックスファムは、世界100カ国以上で貧困を克服しようとする人々を支援し、貧困を生み出す状況を変えるために活動する民間の国際協力団体です。

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HIV/エイズ

オックスファムの取り組み

HIV/エイズの今

HIV/エイズは、今や抗レトロウィルス(ARV)薬を正しく飲み続ければ死を避けられる病気となりました。先進国の多くではHIV/エイズによって亡くなる人の数が減少をしています。

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Photo: Abbie Trayler-Smith/Oxfam
しかし、HIV/エイズの脅威は無くなっていません。それどころかHIV/エイズの感染者数は現在も増え続け、世界の保健状況に壊滅的な影響を与え続けています。今日も8500人以上の命がエイズによって奪われています。これは21機の満員のジャンボジェット機が墜落してなくなる数に相当します。 HIV/エイズは、貧困と密接な関係にあります。さまざまな理由から社会的に周辺化されたり、貧困のもとに暮らしている人々は、予防手段へのアクセスも困難で、また感染の危険性が高い生活を強いられるため、最もHIVに脆弱な立場に置かれています。またHIVは主に性交渉を通じて感染するため、いったんエイズを発病すると、家計を支えて子どもたちを育てる年齢のひとたちを直撃します。そのため、家計はひっ迫し、エイズで家族を失った家庭では残されたお年寄りや子どもの負担が増しますし、感染率の高い国では経済や社会そのものが機能しなくなってしまいます。病気に対する知識の不足、女性が現金収入を得るための方法があまりにも少ないこと、医療サービスへのアクセスが満足にできないことなどが、この状況の拍車をかけます。
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Photo: Crispin Hughes/Oxfam
HIV/エイズと貧困の悪循環を断ち切るためには、予防はもちろんのこと、感染・発病した人への治療やケア・サポート、差別やスティグマの解消など、包括的なアプローチが必要とされます。また、HIV/エイズとともに生きる人々はもちろんのこと、その家族、コミュニティーの人々全体が活動にかかわることが大切です。さらに、特に貧しい国では地域・国単位の取り組みでは追いつかず、またその影響は国境を超えるため、世界レベルでこの問題を優先課題化し、取り組みのための資源を動員する必要があります。

オックスファムの活動

このために、オックスファム・ジャパンは以下のような活動を支援しています。

1.HIV/エイズと共に生きる人々へのケア・サポート [南アフリカ]

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Photo: Paul Weinberg/Oxfam Australia
南アフリカの在宅介護のボランティアの訓練・育成を実施しています。HIV/エイズと共に生きる人たちにとって、正しく薬を飲むこと、栄養をとること、体を清潔に保つことが大切です。訓練されたボランティアが定期的に訪問し、HIV/エイズと共に生きる人々のお世話をし、投薬を確認し、精神的な支えにもなります。
オックスファム・ジャパンが現地で支援する団体「Let Us Grow」の活動についてはこちら


2.エイズ遺児への支援 [南アフリカ]

親を亡くした遺児たちは、親戚に引き取られない場合は、年長のこどもが家長として、他の幼いこどもの面倒を見ることになります。南アフリカのエイズ遺児たちの生活を支え、勉強を続けられるように、ボランティアやソーシャルワーカーが定期的に訪問し、物質的・精神的な支援、政府の福祉プログラムへの橋渡しなどを行っています。


3.村がHIV/エイズと闘う - 差別・偏見の克服と予防啓発 [モザンビーク]

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Photo: Oxfam Australia
モザンビークのHIV感染率は15%を超え、特に農村部が深刻な状況に陥っています。性に対する考え方から、以前はHIV/エイズについてオープンに語ることが避けられていましたが、村が自らHIV/エイズと闘うために、村人のなかからHIV/エイズの対策担当者が選ばれ、この担当者たちが中心となって村人を集め、HIV/エイズの感染経路、発症した場合の病状の変化、予防について話し合い、行動計画を作り上げています。オックスファムはHIV/エイズの対策担当者の訓練・育成を行っています。

グローバル・キャンペーン


特に途上国においてHIV/エイズ問題が国そのものを脅かすまでに拡大した原因の一つに、1990年代を通じて専門家の度重なる警告を無視し、問題を放置してきた国際社会の「不作為」があります。「貧しい国でHIV/エイズの予防や治療を普及するのは無理だ」という考えが支配的でした。しかし今、HIV/エイズは国際的に最も注目を集める問題の一つとなっており、世界的な政財界の指導者たちも率先して取り組みをアピールしています。また、「2010年までにすべての人が予防、治療、ケア・サポートにアクセスできるようにする」という約束もされています。このような180度の転換を実現させたのは、HIV陽性者自身によって続けられてきた社会運動です。

オックスファムは、このような当事者の運動を支援しつつ、各国政府や国際機関に対する政策提言などを行うことで、国際社会のより効果的な対策実現を目指しています。

1. 必須医薬品アクセス・キャンペーン

HIVは時がたつにつれ薬への耐性を強めるため、治療には新薬が必要です。しかし、これには特許がかかっているため、貧しい国では入手が困難です。これを解決するために、新薬と同様の効果を持ち安価な「ジェネリック薬」を普及させる必要がありますが、先進国の製薬企業は、これが利益を脅かすとして、貧しい国がジェネリック薬を購入できないよう、ジェネリック薬を普及しようとする国に対して多額の賠償金を求める訴訟を起こすなど、圧力をかけてきています。

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Photo: Oxfam
オックスファムを始めとした世界のNGOやHIV陽性者運動は、「お財布の大きさが健康格差をもたらしてはいけない」とし、患者の人権を守ることを訴えました。そして、ジェネリック薬の普及が先進国企業の利益を著しく損なうことなどないことを各国政府に対して証明してきました。 近年、ブラジル、南アフリカ、タイなどで、特許よりも人々の健康への権利を優先することが国の政策として決定され、この原則は世界貿易機関(WTO)の国際ルールでも定められました。より貧しい国々でも、抗エイズ薬の無料配布を決めた国もあります。しかし、先進国企業による圧力行為は変わらず、2006年にはスイスの製薬企業ノヴァルティスがインド政府を相手取り、ジェネリック薬の製法を巡って裁判を起こしました。インドのNGOやHIV陽性者たちがこれに対し抗議の声を上げ、世界中からの賛同者も50万人に上りました。また、8万人のオックスファム支援者も直接ノヴァルティスの代表へメールを送るアクションを行いました。これを機に、弱い立場にいる国でも大企業からの圧力に立ち向かうことができることをインドの例が示すことになり、訴訟を取り下げることに成功しました。

2. 世界エイズ・結核・マラリア対策基金

2000年のG8九州・沖縄サミットがきっかけとなり、3大感染症と呼ばれるエイズ、結核、マラリアへの対策に国際的な資金を動員するための「世界エイズ・結核・マラリア対策基金(世界基金)」が設立されました。世界基金の意思決定機関には、政府、ドナーだけでなく、企業、NGO、患者・感染者も参加しており、公正・透明性が確保されています。世界から寄せられる助成申請を厳密に審査し、通過した案件に対して必要な資金を拠出するために、各国からのODAや企業などからの寄付を集めています。世界基金によって、これまでに175万人の人々が、新たに抗エイズ薬の治療を受けられるようになっています。

オックスファムは先進国政府に対して世界基金への資金拠出を呼び掛けるとともに、そのお金の運用に関する世界基金の方針をより効果的なものにするために、世界基金の理事会のNGO代表団の一員として関わっています。

3. 「保健システム」の強化:

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Photo: Eva-Lotta Jansson/Oxfam
オックスファムが世界的に展開する「みんなに教育と健康をFor Allキャンペーン」では、誰もが無料でHIV/エイズ検査を受け、治療、ケア、抗エイズ薬にアクセスできることを目指しています。そのために、貧しい人々が必要な保健医療サービスを受けられるよう、途上国政府に対して医療費の患者負担の廃止や、途上国全体で430万人と言われる医師・看護師不足の解消のための予算措置を求め、先進国政府にはその途上国自身の努力を支えるよう、債務の免除、ODAの増額と改善、特許ルールの改善を求めています。



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