
プレスリリース
世界90カ国以上で貧困問題に取り組む国際NGOオックスファムは、現在タックスヘイブンを通じた租税回避で失われている税収の約4分の1程度の金額があれば、世界の飢餓を終わらせるための資金的基盤を築くことができると告発しました。
オックスファムは、世界の指導者たちに対し、脱税を合法化する抜け道を塞ぐように訴えています。
世界中のタックスヘイブンには32兆ドル(約2880兆円)が集まっており、この資産に課税することができれば、毎年1890億ドル(約17兆円)が徴収できると推計されます[1]。一方、年間わずか502億ドル(約4.6兆円)の追加資金があれば、適切な政策を組み合わせることで、世界の飢餓を終わらせることができます[2]。
オックスファムのこの主張は、リベリアのエレン・ジョンソン・サーリーフ大統領、イギリスのデービッド・キャメロン首相、インドネシアのスシロ・バンバン・ユドヨノ大統領が共同議長を務め、リベリアで2日間にわたって行われている、2015年以降の国際的な開発枠組みの策定に向けた国連ハイレベル・パネル(HLP)会合の場で行われました。リベリアだけで、過去10年にわたって毎年10億ドル(約910億円)の税の喪失を被っています。この額は、同国が受け取っている開発援助額の2倍に相当し、2011年の同国GDPの3分の2に当たります[3]。
オックスファムのスティーブン・ヘイルは、「各国政府は2025年までに世界の飢餓を終わらせることに合意しなければならない。タックスヘイブンを廃止すれば、この目的を達成しても有り余る資金を生み出すことができる。脱税によって飢餓が継続していると言っても過言ではない」と述べています。
HLPは、2015年に達成期限を迎える「ミレニアム開発目標(MDGs)」に代わる新しい国際開発枠組みに関する提言をまとめることになっています。
世界にはすべての人のお腹を満たすのに十分な食料があるにもかかわらず、8人に1人がお腹をすかせています。これは、小規模農家への低投資、食料価格の乱高下、気候変動、先進国などによる途上国に対する土地争奪、そして途上国での企業の納税や活動に関する透明性の欠如など、制度の不全によって起きているものです。
世界はこれまで、MDGsの達成に向けて努力を重ね、極度の貧困の克服、児童死亡率の低下、初等教育の完全普及、HIV/エイズと拡大防止などにおいて大きな前進を成し遂げてきました。しかし、近年の世界的な経済危機や、グローバル経済の中で途上国が被る、不公平な貿易ルールを始めとする構造的な制約によって、その前進も停滞しつつあります。たとえば、リベリアに関する限られたデータに基づく2007年の最新貧困率によると、全国民のほぼ10人あたり9人が一日1.25ドル未満で暮らしており、3人に一人が栄養不足に陥っています。
オックスファムは、新しい開発枠組みには、貧困の終焉、不平等の是正、世界の有限な資源の公平な配分に対する強力なコミットメントを伴い、途上国だけでなく、すべての国の行動変容を必要とする普遍的な目標が盛り込まれること、またその策定にあたって、市民社会と途上国の声が反映されうるプロセスが行われることを求めています。
「重要なのは言葉よりも行動だ。MDGsの期限までまだ1000日ある。今夜も、約10億もの人々がお腹を満たすことができないまま眠りにつく。世界の貧困層は、今すぐの行動を必要としており、世界の指導者たちに対する信頼も、3年後から始まる新しい目標を約束することでなく、今どのような行動をとるかによって決まる」(ヘイル)
以上
[1] 2012年Tax Justice Network報告書による資産に基づくhttp://tjn-usa.org/storage/documents/The_Price_of_Offshore_Revisited_-_22-07-2012.pdf
[2] Zero Hunger Challengeの統計に基づく: http://www.iica.int/Eng/regiones/norte/USA/Documents/FSC%20Presentations/Schmidhuber.pdf
[3] 2001年から2010年にかけてリベリアから不法に流出した資金額は1兆110億ドルから1兆830億ドルと推計される。
世界銀行の統計によると、同期間にリベリアが受け取ったODA総額は4.93憶ドル(不変ドル)であり、上記不正流出額の約半分に相当(http://databank.worldbank.org/ddp/home.do)
IMFが2012年11月に発表した同国への国別評価によると、リベリアの2011年GDPは1兆1490億ドル。(http://www.imf.org/external/pubs/ft/scr/2012/cr12340.pdf、第42頁)
本件に関するお問い合わせ先:
(特活)オックスファム・ジャパン 担当: 山田
電話番号: 03-3834-1556
Email: takumo@@oxfam.jp
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