オックスファムは、世界100カ国以上で貧困を克服しようとする人々を支援し、貧困を生み出す状況を変えるために活動する民間の国際協力団体です。

武器規制 4

なぜ今、"移転"の規制が必要なのか? 

「コントロール・アームズ」キャンペーンの提言の中にも、何度か出てきた「移転」という文字。 これは、「国境を越えた武器の移動」を意味します。 キャンペーンは様々な呼びかけの中でも、この移転の規制を強く訴えています。 では何故、私たちは移転の規制が必要だと考えるのでしょうか?

武器の被害を食い止めるためには、 武器を不正に使う人の手に渡らないようにする必要があります。 そのための重要な手段として、武器を 他の国に移転する際に、その武器が不正に使用される可能性があるかどうかチェックし、不正に使用される可能性がある場合は移転をしない、といった移転規制が挙げられます。

今や貿易はグローバルなもの。 武器の貿易も、多くの国によって、時としていくつもの国を経由する形で行われています。この環境の中で、武器の国際的な移転を規制し、抜け道をなくすためには、国際的なルールを設定し、多くの国が共通のルールに則って規制する必要があります。 そのルールこそ、このキャンペーンが目標の一つに掲げる、武器貿易条約(ATT)なのです。

【武器輸出国の多さ】

世界の主要な武器輸出国は、 アメリカ、イギリス、ロシア、フランス、ドイツ、中国です。 ドイツを除いた5カ国は、国連安全保障理事会の常任理事国です。右のグラフは、アジア、アフリカ、中東、ラテンアメリカへの、常任理事国5カ国からの武器輸出額です。 2002年には、 アジア、アフリカ、中東、ラテンアメリカへの武器の移転のうち、 常任理事国からのものが約88%を占めていました。 アメリカは、これら地域への輸出の41パーセントを占め、世界の総武器輸出額の45%を占めます。 アメリカはまた、小型武器製造会社の数が世界で最も多い国でもあります。

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データ出典:CRS Report to Congress, ‘Conventional Arms Transfers to Developing Nations 1995-2002’, September 22 2003.

もちろん、途上国(南ア共和国、インド、パキスタン等)でも たくさんの武器が製造され、他国に移転されています。

小型武器だけでも、世界の90カ国以上で、1249以上の会社で製造されていると報告されています。(2004年「Small Arms Survey」より) 世界ではこれだけ多くの国が武器を製造し、輸出しているのです。
武器の被害は、当事国のみならず 武器を輸出している供給国にも責任があるはずです。 そして、各国がこの状況をきちんと把握し、国際的なルール作りに取り組む義務があります。

【武器貿易の複雑さ・国際性】

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『世界的な武器のブローカー、ヴィクター・ボウトの動き』
1.ボウトが所有する旧ソ連の輸送機が、アラブ首長国連邦にある基地
から東ヨーロッパに向かって飛び立つ
2.ブルガリアや、ロシア、ウクライナの国々にいる昔の軍時代の伝を辿
り、次々と武器売買の取引を手配
3.銃や軍需品は東アフリカや中央アフリカの紛争地域に輸送され、ダ
イアモンドと交換に取引される
4.その後ボウトは新たにアフガニスタンへとネットワークを広げ、アルカ
イダやタリバンなどの武装集団に過激派党員や武器を送る

武器を規制する国際的なルールが必要な理由の二つ目に、 武器貿易の複雑さがあります。

武器はその一生(生産、移転*、使用、アップグレード、再移転など)の間に 多くの国を渡る場合がよくあります。 その複雑なルートを辿るのは、とても難しいことです。さらにまた、現在の各国の規制は、 曖昧で抜け穴だらけのことが多いのです。

武器貿易をきちんと規制するためには、国や一地域の枠を超えたグローバルかつ実効性のある取り決めが必要です。現在まで、武器貿易についての国際法上の義務は様々な条約等に散見されるものの、それらをまとめたグローバルかつ法的拘束力のある取り決めは存在しません。

*注:武器の「移転」とは、国境を越えた武器の移動を意味します。







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