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【プレスリリース】G20緊急サミットに向けて

オックスファム プレスリリース

G20緊急サミット
世界経済体制の改革論議では
貧困対策を中心に据えるべき
今次金融危機を、公正な体制構築のための歴史的な機会に

ワシントンDC発 2008年11月12日:
国際人道・開発支援団体オックスファム・インターナショナルは本日、11月15日から当地にて開催されるG20緊急金融危機サミットに向けた報告書を発表し、小手先の改革で 満足するのではなく、世界経済体制の抜本的改革に向けたビジョンを共有するとともに、貧困問 題を解決するための緊急かつ大胆な行動をとることを、G20の首脳たちに求めました。

「If Not Now, When?(改革の時は、今をおいてない)」というタイトルのこの報告書でオック スファムは、緊急の行動がなされなければ、世界の貧困層が金融危機の最大の被害者となり、先 進国の失敗の代償を貧困者に支払わせてはならないと訴えています。

オックスファム スポークスパーソン ゴウェイン・クリプケ(Gawain Kripke) 「デトロイトで家を失う家族から、基本的な医療が受けられないがために命を落とすアフリカ・ マリの子どもまで、この危機に対して何の責任も負わない貧しい人々が、その最大の重荷を背負 わされています」

国際労働機関(ILO)の試算によると、一日1ドル未満で暮らす人口は4000万人ほど増え、2ドル 未満の人口は1億人も増加する可能性があります。しかもこれが、途上国が近年の食糧・エネル ギー価格の高騰や、気候変動の影響で頻発する干ばつや洪水などの影響から何とか立ち直ろうと している矢先に起こっていることです。昨年の、穀物価格の高騰による途上国の損失は、324億 ドルに上り、これは途上国が開発援助で受け取る額の3倍以上に上ります。

「先進国における不景気により、先進国の援助額が削減される可能性があります。しかし、先進 国経済における援助額が微々たるものである事実を考えれば、これは経済対策にはほとんど効果 をもたらさないだけでなく、それにより途上国で多くの人命が失われることになります。昨年の 世界の援助総額は1040億ドルでした。これに対して先進国はこの数カ月の間に、金融機関救済の ためのこの30倍近い額の約3兆ドルを注入しています」(クリプケ)

「先進国は援助増額を約束しており、これを果たさなければなりません。また、援助が求められ ることのすべてでもありません。1997年のアジア金融危機のあと、大きな改革はなにも行われま せんでしたが、同じ過ちを繰り返してはなりません。将来に同様の危機が起こることを防ぎ、長 期的に貧困層を保護するために、首脳たちには、世界経済の不安定性を緩和し、経済連鎖の頂点 にいる少数ではなくすべての人々のために市場が機能するようにするために、世界経済のルール を書きなおす機会とすることが求められています。」(クリプケ)

報告書「If Not Now, When?」でオックスファムは、世界の指導者たちは将来の金融危機を防止 し、労働者や消費者の利益、そして環境を守るよう、今すぐに実行力のある国際的な監督・規制 機構を創設する必要があるとしています。この規制の中には、これまで各国の規制を弱め、本来 教育や保健医療のために使われるべき貴重な資金を貧困国から奪ってきたタックス・ヘイブン (租税回避地)への規制も含まれるべきです。また、経済、気候、食料、エネルギーに関する危 機に対処するために、民主的な代表性を有したグローバル・ガバナンスの構築も必要です。

「今私たちは新しい世界に直面しています。G20の台頭は、世界の地政力学において地殻変動が 起こっていることを物語っています。既存の多国間機構が時代に合わず、私たちに次々に襲いか かる金融、食料、燃料、気候などの多くの危機に対応する力を持っていないことは火を見るより も明らかになりつつあります。改革をするにあたっては、途上国や最貧国にこれまでよりもずっ と大きな役割を与える必要があります。新興経済国が保有している巨額の資金をあてにせざるを 得ない先進国は、G20のような統治機構において一定の権力移譲を避けることはできないでしょ う」

オックスファムは指導者たちに対して、今回の金融危機を、利潤よりも人類益と地球益を優先す るような21世紀型の政治経済制度を構築するための機会ととらえることを求め、特に以下の3つ のことを実行するよう、訴えています。

●開発援助を削減しないようにという経済協力開発機構(OECD)の要請を受け入れ、国民総所得GNI比0.7%をODAに回すという国連目標を達成するために必要な1400億ドルを即座に追加拠出する。流動性危機に直面している新興国に信用を供与する。

●タックス・ヘイブン問題に取り組み、万人の利益に寄与するような市場改革の一環として、より安定的な為替相場制に移行するなど、世界金融体制を改革する。

●経済、食料、エネルギーの危機に効果的に対応するために、新たに代表性を有するグローバル・ガバナンス体制を構築する。

「つい先週、アメリカ合衆国では大きな政治的変革が起こりました。今週末に顔を合わせる世界 の指導者たちは、金融の不安定性と世界経済の減速への真剣で長期的、かつすべての人々のため になる解決策を見つける道筋をつけるために、この機会を最大限活用すべきです」(クリプケ)

報告書のダウンロード(PDFファイル)はこちら

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