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【プレスリリース】国連開発資金会議閉幕


2008年12月2日 オックスファム・インターナショナル プレスリリース

国連開発資金会議閉幕
国際金融システム改革で対立深刻



ドーハで行われていた国連開発資金会議の閉幕にあたって、国際開発支援団体オックスファムは本日、会議の評価声明を発表し、世界金融危機に対する対応策に関して各国間に横たわる深刻な対立があらわになったこと、また貧困国に対する約束の実行に向けた具体的な進捗もなかったことを批判しました(詳細は次ページ以降参照)。

アリアン・アルパ オックスファム・インターナショナル代表団長「一連の交渉で、国際金融制度の改革のあり方について、各国間で大きな対立があることが明るみになりました。会議が決裂しかけたこと自体、先進国がいかに国連を避け、金融問題に関する途上国の発言力拡大を認めようとせず、これまでの金持ちクラブ体制の温存を図っているかを如実に物語っています」

オックスファムは、国連がグローバル・ガバナンスを行う唯一正統な機関であると主張しています。ドーハ会議は、金融危機の途上国に対する影響について、国連会議を来年開催することを呼びかけることには合意しましたが、国連を金融危機に対する世界的な対策の中心に位置付けることには失敗しました。また、貧困との闘いに必要な資金を動員することの政治的な緊急性を強調したものの、言葉を行動に移すことはできませんでした。

「非常に長い時間をかけて話し合った割には、成果に乏しい会議となりました。世界の貧困への取り組みにおいて、過去の国際約束からほとんど何の前進もありませんでした。食料、気候、金融などの危機が次々と貧しい人々を襲う以前から、既存の支援誓約は不履行ペースにありました。その後世界が急速に変動しているにもかかわらず、ドナー国は全くその変化に追いつくことができずにいるようです」(アルパ)

オックスファムの分析では、ドーハ会議の最終宣言文には多くの重要項目に関して根本的な欠陥が見受けられます。オックスファムは、特に以下の点を強く批判しています。
●国際通貨基金(IMF)と世界銀行において、途上国の発言力を大幅に拡大することに合意しなかった。
●ODAに関する文言は、2005年のG8グレンイーグルズ・サミットで交わされ、また本年の北海道洞爺湖サミットでも再確認された、「2010年までに500億ドル増額する」という公約から後退した。

「本会議は緊急かつ具体的な行動に合意するための会議だったはずです。先進国は聞こえの良い発言をたくさんしましたが、結局、貧困削減に貢献する準備をまったくしていなかった数カ国があったということです」(アルパ)

具体的な争点:
宣言文の文言については、国連での準備段階から激しい議論が交わされ、これまでに幾度となく草案が出されては、却下されてきた。日本、アメリカ合衆国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドが後ろ向きな姿勢を出してきたが、ドーハ会議の正式な開幕以降は特にアメリカ合衆国が、EUやG77などが草案に合意した後の11月30日(日曜日)になって、細部にわたる修正案を提示するなどして、合意のブレーキ役となってきた。特に議論が割れたのは、以下の点について:

●援助公約: 国民総所得(GNI)の0.7%をODAに回すとする国際目標に言及する文言について、アメリカがその削除または弱体化を要求。その結果、最終案自体、0.7%目標には数か所で言及しているが、明確なコミットメントの再確認とはなっておらず、その達成に向けた工程表に対する言及は削除されている。援助の質については、宣言文案はアクラ行動アジェンダ(AAA)とパリ宣言を再確認しているが、その表現は弱められ、実施を求めていない。
●気候変動: 温室効果ガス排出量削減が経済成長に与える影響について、アメリカとG77が草案に反対姿勢。アメリカはバリ行動計画への言及と、削減のために炭素市場からのものを含む新規資金が必要とする文言に反対。
●税・内国資金問題: 国連租税委員会をアップグレードし、資金強化し、より強力な権限を与えるかについて対立(もし実現すれば、租税問題や税の逃避の問題に対する国際的な調整の改善につながる)。最終文案では、国連経済社会理事会(ECOSOC)に対し、租税委員会を含む気候の在り方の強化について、検証することを求めている。
●グローバル・ガバナンス: 全般的に、アメリカは国際通貨・金融制度の改革とグローバル・ガバナンスにおける国連の役割に関する文言の弱体化もしくは削除を求めた。特に各国で対立があったのが、グローバル・ガバナンスのその体制について国連がサミットを召集すべきかどうかと、IMFが現在の金融危機の未然の防止に失敗したかどうかについて。
●フォローアップ: 次回フォローアップ会議の具体的な日程と、フォローアップの内容について、意見の一致を見ず。
●貿易: 多国間貿易体制を途上国にとってより公平なものに改革する必要性に関する文言に対して、特にアメリカが反対。

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