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G20カンヌ・サミット:世界経済の分水嶺となれるか

プレスリリース

G20カンヌ・サミット:世界経済の分水嶺となれるか
G20首脳の手腕が問われる、「食料、資金、不平等」への対応

フランス・カンヌで開催されるG20サミット(11月3日〜4日)を目前に控え、国際開発支援団体オックスファムは本日、声明を発表し、世界を安定と繁栄に導く分水嶺とするめには、各国首脳が狭義の国益を乗り越え、世界の最も貧しい人々のために決断力を持って行動できるか如何にかかっていると訴えました。

今日、世界の7人に1人が飢えに苦しんでいます。世界経済は圧倒的な危機に立たされ、その影響を最も受けているのが貧しい人々です。G20諸国においてでさえ、国内経済を力強い経済成長軌道に乗せに成功したとしても、巨大な所得格差が足かせとなり、多くの人々が貧困に陥ることを止めることはできません。G20に対する信頼性はカンヌでの成果に懸かっています。

オックスファムは、以下の3つ問いがG20カンヌ・サミットの成否を左右する試金石となると考えます。

1.貧困・気候変動の対策資金の財源として、革新的な資金導入を支持する首脳が増えるか。
2.食料価格の高騰ならびに乱高下の原因への具体的取り組みを始めることができるか。
3.持続的かつ包摂的な成長実現に向けた取り組みに、拡大する格差の是正対策を組み込むことができるか。

「報道の見出しは押収の債務問題が支配するでしょう。しかし、G20が本気で『世界の安定と繁栄を持続可能な形で改善したい』のであれば、もっと幅広い対応が求められます。サルコジ大統領(フランス)は大胆な議題提示を行い、その中には世界の最も貧しい人々に多大な影響を与えるものがあります。今、必要とされているのは、『わかりきったことの宣言サミット』ではなく、『必要なことの行動サミット』です。」
(カルロス・ザルコ・メラ/オックスファム)



「しかし、このG20が人々の不信や疑念を払拭するためには、超えなければならない大きな山があります。これまでに何度も、各国の頑なな態度や瀬戸際外交によって、善意を失わせてきたからです。G20各国首脳が、困難な課題に勇気を持って向き合うことが出来れば、カンヌは世界の最も貧しい人々にとって大きな画期といえます。飢えに苦しむ何百万人もの人々の命運が懸かっているともいえるのです。」
(ルック・ランプリエール/オックスファム)



オックスファムは、今回のサミットの議題のうち、次の3点について正しい取り組みが行われれば、世界の安定と繁栄に大きく寄与するであろうと考えます。

金融取引税(ロビン・フッド税)ならびに国際船舶に対する公正な炭素課税への支持拡大


金融危機は、貧困国の財政に総額650億ドルの穴を開けたといわれています。援助額も減少しています。気候変動によって、何百万人もの人々が家や生活を失おうとしています。これに対し広範な金融取引にわずか0.05%の税率を課すことで年間最大4000億ドルの資金を調達することが可能となります。また、国際船舶への炭素課税は、温室効果ガス排出量削減を促すだけでなく、年間250億ドルの資金動員も見込まれます。これらの提案に対し、多くの有識者や国際機関などから幅広い支持が寄せられています。

「これらは、グロバールな危機によって最も影響を受けた人々を支援するための新たな資金を生み出す、革新的かつ真っ当な解決策です。これらを現実のもとするため、(すでに支持を表明している)フランス、ドイツや南アフリカ共和国といった国々と同様に、他のG20首脳も支持すべきです。これは何も難しい問題ではなく、明らかに正しいことです。これら提案の実現に向けたこれだけの善意と機運の高まりに対して、一部の国々が行っている妨害行為は、許されません。」
(カルロス・ザルコ・メラ/オックスファム)


食料価格乱高下への対応


G20が食料価格乱高下への対応を議題として初めて取り上げたのは2009年でした。それから2年、改善されたことほとんどありせん。2010年の後半、食料価格の高騰により貧困陥った人の数は4400万人といわれています。さらにオックスファムの試算では、今後20年間に食料価格が現在の2倍にまで高騰する可能性があります。

サルコジ大統領(フランス)は、食料価格危機への対応を G20の重要議題として位置づけ、市場の規制強化、透明性の向上、食料備蓄や保険を用いて価格変動による影響に対処すべきだと呼び掛けました。しかし、6月のG20農業大臣会合では、バイオ燃料、食料備蓄や投機活動に関する引き続きの調査を呼び掛けただけで、具体的対策についてはほとんど提示しませんでした。

「農業大臣会合が成果に乏しい終わり方をしたことで、G20各国首脳は、貧しい生産者や消費者の生活に向上をもたらすために、多くの宿題を抱えることになりました。」
(ルック・ランプリエール/オックスファム)


包摂的で持続可能性へ向けた道筋の策定、租税回避地(タックス・ヘイブン)取り締まりの貫徹


G20は、2010年のソウル・サミットにおいて、「共有されたグリーン成長」を約束しました。オックスファムは、今こそ実行の時だと考えます。

「G20の首脳たちは、貧しい人々に不利な経済政策の偏りが是正されるという期待を私たちに持たせ ました。成長の恩恵が貧しい人々にも届くよう、成長の総量だけでなくその質と中身にも同等の重点を 置いた政策が必要です。」
(カルロス・ザルコ・メラ/オックスファム)


G20は、タックス・ヘイブンへの取り組みを約束してきましたが、2009年以来、持続的な国際協力の改善を実現できず、多くの国が交渉の場から排除されたままです。G20は、タックス・ヘイブンに対して完全な透明化を実施させ、多国籍企業にも更なる透明性を求めていかなくてはなりません。

「いまだに多くの企業が世界中のタックス・ヘイブンを利用して納税義務を回避しています。これに対して意味ある制裁措置や透明性確保の義務はなんら課せられていません。現在途上国から国外に流出 している資金は援助として流入する資金の10倍に上ると言われ、その多くがタックス・ヘイブンを介しています。」
(カルロス・ザルコ・メラ/オックスファム)


「G20で検討課題に上がっているのは、すべての人々にとって公正な経済システムを実現するための改革です。貧しい人々を金融市場やエネルギー市場の失敗による悪影響からだけでなく、気候変動や不平等、食料不安からも守らなくてはなりません。貧困との闘いにおいて分水嶺となりうる可能性が、このサミットにはあるのです。」
(ルック・ランピエール/オックスファム)


オックスファムのメディア向け資料「G20:勇気と大志のカンヌ」(英語)はこちらからご覧いただけます。
http://oxf.am/G20cannesmb

本件に関するお問い合わせは、こちらにご連絡ください。(東京)
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