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【G20・租税回避問題】多国籍企業の租税回避によるアフリカの税喪失額はGDPの1.7%

ロシア・サンクトペテルブルク
プレスリリース

多国籍企業の租税回避によるアフリカの税喪失額はGDPの1.7%
G20の1.2兆ドルに相当

国際NGOオックスファムは本日、アフリカ諸国が多国籍企業による不正な貿易価格設定によって国内総生産(GDP)の約2%にのぼる税収を失っているとの試算を発表しました。この額は、サブサハラ・アフリカの保健医療予算の半分以上に相当し、G20のGDPに当てはめた場合は1.2兆ドルの予算不足を意味します。

オックスファムはG20に対し、アフリカから多額の資金を奪う国際租税ルールの欠陥を是正するための緊急行動を求めています。不正な貿易価格設定(trade mispricing)は、多国籍企業が資金を国際的に移転させることで、本来の活動国における納税義務を避けるための手法の一つとなっています。この手法による喪失額だけで、アフリカ諸国は毎年3840億ドルを失っており、貧困対策や経済活性化の大きな足かせとなっています。

G20は、7月の財務大臣・中央銀行総裁会議で、多国籍企業による「税源侵食と利益移転(BEPS)」を防ぐための行動計画を承認しました。オックスファムはG20に対し、この計画を首脳レベルで承認することに加え、企業の租税回避による影響が特に大きい貧困国を議論に加えることを約束するよう求めてい ます。

もしG20が企業の税逃れで1兆ドルもの資金を失っていたら、G20は間違いなく行動を起こしていたはずです。「国際経済協力の第一のフォーラム」を自認するG20にとって、アフリカが租税回避によって収奪されているのみならず、解決に向けた議論からも排除されている現状は、恥ずべき事態です。

BEPSプロセスの成否は、企業が利益移転を通じて利益発生国での納税を逃れることができてしまう現状を、租税ルールの改革で解消できるかどうかにかかっています。オックスファムは、G20の財務大臣がIMF及びOECDと連携しつつ、この問題に対する解決策を提示し、オーストラリアで開催される来年のサミットで合意を目指すことを約束することを、今回のサミットに求めています。

オックスファムは、世界経済の8割以上を占めるG20に対し、BEPSに関する合意に留まらず、税の透明性向上と秘密主義の克服に関しても、以下のとおり行動することを求めています。

・貧困国を含むすべての国の租税情報アクセスを可能にする自動情報交換システムを支持すること。
・ペーパーカンパニーなどを通じた税逃れを防止すべく、企業など法人の実質的な所有者に関する情報をめぐる秘密主義を廃止し、公に開示すること。
・多国籍企業による納税情報の透明性を確保するために、すべての多国籍企業に対し、国別の納税報告を義務付けることに合意すること。

もしG20の首脳が、一般の国民や中小企業と同じく多国籍企業にも納税させることについて本気であるならば、税に関する秘密主義とペーパーカンパニーの撲滅について、期限を定める必要があります。

以上

【試算根拠について】
・世界銀行によると、サブサハラ・アフリカ諸国政府の保健支出(2011年)は、GDPの2.9%でした。
http://goo.gl/dxt0Ga(世界銀行ウェブサイト)

・2013年のAPP報道によると、2008-10年のアフリカ諸国の不正な貿易価格設定による喪失額の年平均は384億ドルです。
http://africaprogresspanel.org/en/publications/africa-progress-report-2013/apr-documents/
他方、アフリカ開発銀行のドナルド・カベルカ総裁によると、同時期のアフリカ諸国のGDPは合計2.2兆ドルでした。
http://appablog.wordpress.com/2013/05/25/remarks-by-dr-donald-kaberuka-president-of-the-african-development-bank-group-at-the-50th-anniversary-of-the-african-union/
したがって、同時期のアフリカ諸国の喪失額は、GDPの1.7%に相当したことがわかります。

・2012年のG20諸国のGDP総計は、IMFの「世界経済見通し2013」によると71.95兆ドルでした。これに上記の1.7%を当てはめると、1.223兆ドルとなります。

・不正な貿易価格設定による税喪失は、資金の不正流出による税喪失額1兆ドルの約半分を占めます。
http://www.gfintegrity.org/storage/gfip/documents/reports/implied%20tax%20revenue%20loss%20report_final.pdf
これにより、G20の喪失は対GDP比でアフリカ諸国ほど大きくないことがわかります。

お問い合わせは、以下の連絡先までお願いいたします。
オックスファム・ジャパン アドボカシー・マネジャー
山田太雲 (9月7日までサンクトペテルブルグ)
Email: takumo@@oxfam.jp (@を一つにして送信してください)
電話: +7-981-852-0783 (ロシア国内からは8-981-852-0783)

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