オックスファムは、世界90カ国以上で貧困を克服しようとする人々を支援し、
貧困を生み出す状況を変えるために活動する国際協力団体です。

オックスファム、GROWキャンペーンを開始

崩壊した世界の食料システムと環境危機で
飢餓人口激増時代に
〜オックスファム、GROWキャンペーンを開始

国際協力NGOオックスファムは本日、報告書を発表し、崩壊した世界の食料システムと環境危機によって、過去数十年間の飢餓人口の削減傾向が増加傾向に反転していると警告しました。
食料の生産・分配に関する現在の制度を変革しない限り、食料価格の断続的な高騰と各地域で発生する食料危機のサイクルによって、すでに10億人を突破しつつある飢餓人口がさらに急激に増えることになります。
オックスファムは本日、世界の全ての人々がいつも十分な食事を摂れるようにするための世界規模のキャンペーン、"GROW" を開始しました。

このキャンペーンには、ブラジルのルラ前大統領、デスモンド・ツツ大司教、女優のスカーレット・ヨハンソンさんらが賛同しています。

「Growing a Better Future(よりよい未来を耕すために)」と題されたこの報告書では、現在の食料システムが崩壊していることを示す多くの現象をまとめています。それらは、飢餓人口の増大、生産量の停滞、肥沃な土地や水をめぐる争奪、そして高騰を続ける食料価格などに表れています。そのうえで報告書は、世界が、地球の自然資源の枯渇と深刻な気候変動の影響の増加に伴って、数百万もの人々が新たに飢餓に陥るという新たな危機の時代に突入してしまったと警告しています。

新たに行われた調査によると、既に過去最高レベルにあるトウモロコシのような主食の価格は、今後20年の間に倍以上に跳ね上がるという結果が出ています。この高騰の原因の半分程度が、気候変動によるだろうと見られます。すでに所得の8割程度を食費に充てている世界の最貧層の人々が、最も深刻な影響を受けることになります。

東アフリカでは現在、800万人が慢性的な食糧不足に苦しんでいます。各地で発生する食料危機によって、今後10年間に食料援助に対する需要は倍増することが見込まれます。
2050年までに、食料需要は7割増加する見込みですが、世界の食料生産能力は減少傾向にあります。平均農業生産高の成長率は、1990年以降、ほぼ半分まで落ち込んでおり、今後10年間でわずか1パーセントにまで落ち込む勢いです。

オックスファム・インターナショナル事務局長ジェレミー・ホッブス

「私たちの世界では、世界の全ての人々のお腹を満たすだけの食料を生産する能力を有しているにもかかわらず、今日世界人口の7人に一人が飢えています。気候変動の影響が徐々に深刻度を増し、肥沃な土地と真水が徐々に稀少資源となるという、この新たな危機の時代において、万人の食料アクセスを確保することはさらに困難になります。私たちの崩壊した食料システムを変えない限り、数100万もの男性、女性、子どもたちが、飢えに陥ることになります」

オックスファムのGROWキャンペーンは、崩壊している食料システムを政策的にテコ入れし続ける政府、そしてそのようなシステムから利益を得、またその維持のためにロビー活動にふける300から500の企業を暴露していきます。たとえば:

インド: 1990年から2005年にかけて、経済規模を倍増させたにもかかわらず、同国の飢餓人口は同期間にフランスの総人口を上回る6500万人も増加しています。経済開発が農村の貧困人口を排除し、社会保護の制度も彼らに届いていないからです。今日、世界の飢餓人口の4人に1人はインドに住んでいます。

アメリカ合衆国: 同国政府の政策によって、世界で生産されるトウモロコシの15%は、食料危機が起きている時でもバイオ燃料として自動車の燃料にされています。バイオ燃料でSUV車を満タンにするのに要するトウモロコシは、一人の人が1年間に必要とする量に匹敵します。

商社: わずか4つのグローバル商社が、世界の食料のほとんどの動きを支配しています。そのうち3社(アーチャー・ダニエル・ミッドランド社、バンジ社、カーギル社)は、世界の穀物貿易の9割を支配していると試算されています。これらの企業による活動が、食料価格の変動を助長し、またこれらの企業の利益となっています。

オックスファムは過去70年間にわたって、世界各地の食糧危機に対応してきました。その経験を踏まえて、オックスファムは各国の政府、特に力の大きいG20諸国に対し、より公正で持続可能な食料システムへの移行を率先するために、農業分野への支援・投資を増やし、世界の自然資源の価値に配慮し、食料システムの管理を向上させ、世界の食料の大半を生産する女性に平等を実現することを呼びかけています。また、民間セクターに対しては、利益の為に貧しい生産者、消費者、そして環境を犠牲にしないビジネス・モデルへの転換を働きかけています。

「各国政府はあまりにも長い間、食料生産者や消費者である私たち70億人よりも大企業や権力をもったエリートの利益を優先してきました。今年11月にフランスでサミットを持つG20各国は、私たちの食料システムの変換を始めなければなりません」(ホッブス)

「G20は、世界の食料増産のために最も大きな可能性を持つ、途上国の500万人の小規模農家への投資を行い、彼らが気候変動の影響に適応するのを支援する必要があります。また、食料価格を管理するために、一次産品市場を規制し、失敗したバイオ燃料政策を変換するべきです。」

「各国政府はまた、世界の食料生産の大半を担う女性農家に、土地、資源、機会について、男性と同等の権利を実現する必要があります。平等な権利を持つことで、女性農家たちは、自分たちだけでなく、その家族、さらに1億5000万もの人々の食料を生産することができます。」(ホッブス)

ルラ前ブラジル大統領
「これ以上待てません。世界の政治指導者たち、グローバル企業たちは、全ての人々が食料にありつけるようにするために、行動を始めなければなりません。言い訳は通用しません。私たちにはこの星に住む全ての人々に、現在、そして将来にわたって食料を届ける能力があるのですから。政治的意志さえあれば、飢えに苦しまずにすむという基本的人権を奪われた人を生み出さずにすむのです。

デスモンド・ツツ大司教
「多くの政府や企業は、慣行、イデオロギー、利益の追求のために、変革への抵抗を試みるでしょう。彼らを説得できるかどうかは、私たち一人一人が公正で持続可能な形で生産された食料を選び、自らの生活における二酸化炭素排出量を減らし、変革を求めるオックスファムをはじめとした市民社会の動きに加わるかどうかに関わっています」

スカーレット・ヨハンソン(オックスファム親善大使)
「食料を分け合うことは、人生で最も素晴らしい行いの一つです。しかし現在、地球規模で見たときに、私たちは食料を公正に分け合うことができていません。約10億もの人々が毎晩お腹をすかせたまま寝床に就いています。世界の食料システムは、崩壊しているのです。生まれた場所がケンタッキーであってもケニアであっても、人には食べる権利があります。だから、私はオックスファムのGROWキャンペーンに参加します」


報告書とサマリーは、こちらからダウンロードいただけます。
http://www.oxfam.org/en/policy/growing-better-future

詳しくはこちらにお問い合わせください。
Anna Mitchell on +44 1865 339157 or +44 7796 993 288, anna.mitchell@oxfaminternational.org

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