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パキスタン洪水 被災地最深部で行った緊急支援

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パキスタンのオックスファムの保健専門家カシム・ベレク(30歳)が、被災地での緊急支援活動についてごご報告します。

カシムが8月16日に訪れた被災地、上スワト渓谷(Upper Swat Valley)は、洪水によってほとんどの道路や橋が破壊され、浸水が続いているため、他の地域から孤立化しています。
何十万という住民にとって、唯一の支援は、ヘリコプターから落下する救援物資でした。

カシムは次のように語っています。
「陸の孤島となった上スワト渓谷で、人々は今、悪夢の中を生きています。もっとも懸念されるのは、ほとんどの地域での安全な飲み水の不足です。洪水によって水道が破壊されたため、人々はやむなく川の水を飲んでいます。しかし、川の水は汚染されており、伝染病の蔓延が心配です。現地では下痢に苦しむ人が増えています。

洪水がはじまってから2週間あまり。やっと水が引き始め、私を含む6人のオックスファムのスタッフは現地に急行することに決めました。道路が寸断されているため、途中から徒歩で現地に入りました。

私たちは10万パックの水浄化パウダーを運び込みました。1パックで10リットルの水を20分で浄化させることができ、人々を伝染病から守ることができます。
近くの町マンゴラを車で発ったときには、どしゃぶりの雨が続いていました。私はパキスタン人ですが、これほどひどい雨は見たことがありませんでした。町に住む老人は、1929年の大洪水のことを覚えているが、ここまでひどくなかった、と話しています。これは私の国の歴史の中で未曾有の災害なのです。

車で行くこと1時間半。ファテフプール村に着きましたが、ここからは徒歩で行かなければなりません。支援物資を運ぶために、8人の村人にポーターをお願いしました。

歩き進めるにつれ、周囲の家やホテル、店から目を離すことができませんでした。まるで紙でできたかのようにコンクリートの建物が破壊されているのです。水がここまで破壊しつくすことが信じられませんでした。

しばらくすると道路に再び出て、そこで車を借りてジャリ村まで行くことができますが、そこから先は橋が破壊されているので、再び徒歩で行かなければなりません。
途中から泥に足をとられて歩くことがますます難しくなってきました。また一部道路が現れたので車を見つけて借りることができましたが、数分すると橋が破壊されており、進むことができません。

歩き始めると、私たちのほかにも道を行く人たちがいました。尋ねてみると、私たちが向かっている被災地、上スワト渓谷から、一日かけてやってきて、これからファテフプール村に行くというのです。そこで、小麦や油、米、豆、砂糖、塩、ビスケットなどの救援物資を援助団体から受け取って、背負って歩いて帰るのです。これで1週間あまり家族が食べていけます。

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女性たちもいました。彼女たちは川の水を汲んでいました。これを飲むと子どもたちが病気になることはわかっていましたが、ほかに選択肢はない、と言います。

この地域の人たちは、ほかの場所に避難することができません。非常に貧しいため、他の場所に移って家を借りることができないのです。また、人々は、財産である家や家畜を置いて村を去りたくありません。一部のひとたちは親戚を頼って、村を出ることができますが、いまや洪水の被害を受けていない人を探すのが困難であり、このような選択肢もあまり残されていません。

雨が激しくなり、歩みを遅めなければならなくなりました。このような泥道を歩くことは大変困難でしたが、誰ひとり文句を言いませんでした。

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心臓が縮むような思いもしました。橋が破壊されており、今や橋の残骸にロープが渡しているだけになっており、左右に揺れる残骸に力いっぱい捕まっていかなければなりません。ほかの5人のスタッフと、ポーターのひとたちの安全がもっとも気がかりでした。
4時間の強行軍の末、ついに目的地のBahrainに着きました。私たちはずぶぬれでしたが、その価値はありました。水浄化パウダーのパックを3000家族に配布しました。ひと家族あたり30パック。これで15日間は安全な水が手に入ります。

私たちは22日に再び現地に行きます。現地の人たちが必要とする限り、これから何度も赴きます。もっとも必要とされているところに支援を届けるために、力をあわせなければなりません。」

(写真:©Qasim Barech/Oxfam)

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