オックスファムは、世界90カ国以上で貧困を克服しようとする人々を支援し、
貧困を生み出す状況を変えるために活動する国際協力団体です。

【パキスタン洪水】オックスファムスタッフによる現地からのレポート

オーストラリア・メルボルン出身のオックスファムのスタッフ、レベッカ・バーバー(33歳)は、2007年からパキスタンで仕事をしており、現在はパキスタンのオックスファムの人道政策・アドボカシーアドバイザーとして活動しています。

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Sindh地方©Matloob Ali/Oxfam

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畑も被害を受け、復興には時間を要する©Oxfam staff

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Charsaddaのキャンプ©Rebecca Wynn/Oxfam
レベッカは次のように語っています。
「パキスタンの洪水については以下のことが言われています。ひとつは、パキスタンの歴史のなかで最悪の自然災害であること。次に、2004-5年のスマトラ島沖地震・津波と2005年のカシミール地震、2010年のハイチ地震をあわせた数よりもさらに多くの被災者を出してしまったことです。パキスタンの首相は『(洪水は)国の分裂よりも深刻だ』、と話し、BBCはイギリス国土の3分の一に匹敵する地域が洪水に見舞われ、まだ被害が拡大している、と伝えています。これらは、パキスタンの洪水被害がいかに甚大なものなのかを世界に示しています。

このような比較は被害の規模を伝えることができても、1700万人の被災者、うち800万人の家や生計手段を失った人々の苦しみを伝えられるものではありません。通常、パキスタンの女性たちは写真を撮られるのは品位にかける行為として嫌います。しかし、キャンプや道路の脇で避難し、尊厳の無い暮らしを余儀なくされているとき、男性も女性も写真を撮られるのを厭わなくなります。誰かが写真を見て、助けに来てくれるのではないかという望みをつないでいるからです。

Khairpurの避難キャンプでは、ある男性から、彼の家族が避難するために2万ルピー(約2万円)を支払ったと聞きました。お金を捻出するために、収穫した全ての小麦を売ったといいます。彼の家族と叔父で、13頭の水牛を所有していましたが、避難の際に連れてくる余裕は無く、すべて洪水で溺れ死んでしまいました。彼の3人の兄弟は村に残り、家の近くの高台で野宿をして、残った財産を見張っています。村は今、1.5mの深さの水に沈んでいます。男性は、再び農業を再開するまでに2年はかかるだろうと話しました。

他の避難キャンプでは、軍によって避難させられた男性とその家族は、ヤギ8頭、牛2頭、水牛2頭を置いていかなければならなかったと聞きました。彼らは、土地無し農民で、地主の土地を耕して得られる収入に頼っていました。家畜のほかに、家族は小さな菜園を所有していました。この家族は地主からの収入、家畜や野菜によって得られるわずかな収入でやっと暮らしていました。しかし、洪水となった今、来年1月のサトウキビの収穫までは仕事はありません。男性は大都市に行って肉体労働の仕事を探すと話しました。こうした仕事によって得られるのは一日100ルピー(100円)ほどに過ぎず、10人の家族を養うには到底足りません。そして貯蓄もありません。彼の娘は結婚の持参物(ダウリー)のために6年間貯めていた衣服、金、調理道具、現金を失ったと話しました。

洪水のニュースは伝えられているものの、国際的な支援はスピード、規模とも充分ではなく、財産を失って、劣悪な状況で暮らしている何百万人もの人々の苦しみを和らげることはできません。殆どの避難キャンプや、人々が集まって避難する場所には、トイレがありません。あったとしても、悪臭とハエの大群による劣悪な状態のもので、使えるものではありません。キャンプでは、男性たちは近くのモスクで、女性は見られないように、夜中に路上で用を足しています。衛生的な水も充分になく、避難するときに身につけていたものという以外、衣類はありません。2週間同じものを身につけているのです(身につけているのは、「私たちの魂のみ」という言葉をよく聞きました)。高温多湿の現地の気候では、毎日大量の汗をかきます。私が宿に帰って最初にしたいことは、シャワーを浴び、服を着替えることです。

被災者の数は、かつて発生したどの自然災害よりも多いといわれています。しかしさらに重要な事実は人々が今も苦しみ続けていることです。そして、人々は、更なる支援を必要としています。」

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