オックスファムは、世界90カ国以上で貧困を克服しようとする人々を支援し、
貧困を生み出す状況を変えるために活動する国際協力団体です。

フィリピン

ミンダナオ島の農家 ©Dante Dalabajan/ Oxfam

フィリピンは継続的な経済成長を達成していますが、都市部と農村部を比較すると、所得格差が依然として高い国です。特に南部のミンダナオ島では、長期に渡る紛争や頻繁に起こる異常気象の影響による貧困が深刻な問題となっています。 オックスファムは、1987年にフィリピンでの活動を開始し、現在は首都マニラと、ミンダナオ島に事務所を置き、フィリピン各地で活動しています。オックスファム・ジャパンでは、2007年よりフィリピンのプロジェクトを開始しました。

オックスファム・ジャパンの活動

2007年4月~2008年3月
フィリピン各地・気候変動のコミュニティへの影響に関する分析調査
2009年11月~2010年9月
ミンダナオ島・小学校校舎建築
2010年~現在
ミンダナオ島・中小企業支援(EDP):モリンガ(熱帯植物)の栽培・販売支援
2011年12月~3月
ミンダナオ島・台風21号(センドン)被災者緊急支援
2012年3月~2013年3月
ミンダナオ島・小規模農家の支援
2012年11月~2013年5月
ミンダナオ島・平和構築の支援
2013年11月~2014年4月
フィリピン台風30号(ハイエン)被害緊急支援

小規模農家の支援(ミンダナオ島)

ミンダナオ中部では、近年、雨季が1ヶ月以上遅れて干ばつが起こることや、乾季に突然の降雨や異常な気温の上昇が起こるなどの、気候変動による異常気象が繰り返されています。異常気象は農業生産高に深刻な影響を与え、ミンダナオ中部の町でも、ここ15年の間、主要農作物の収穫量が減少しました。特に2009年から2010年にかけて起こった異常気象は深刻な打撃を与え、多くの小規模農家の収入が減り、負債が膨むという事態が起こりました。

1.農作物の管理施設の建設
・ キャッサバの収穫後処理施設(加工施設)倉庫の建設
・ キャッサバ乾燥機やキャッサバ粉末化機を各地区の農家に提供
・ コメ及びトウモロコシの収穫後の処理のため、天日干し場と倉庫を建設

2.農地の整備
・ 水田を横切るコンクリート用水路を建設

3.農業施設の管理体制の構築
・ 施設における事業管理や経理管理を行うための指導者養成研修を実施

→充分に乾燥された作物は、商品価値が上がり、業者からの高い価格で買い取ってもらえるようになります。また、収穫後処理施設の建設により、道端で作物を乾燥させ、作物が降雨により影響を受けることがなくなり、収穫した作物の損失を避けることができます。これにより、小規模キャッサバ農家の年間収入が約20%、コメ・トウモロコシ農家の収入が15%増加することが見込まれています。また、用水路の建設により、作物の2期作が可能となり、エスペランザ町における125世帯のコメ・トウモロコシ農家の収穫量が2倍になることが見込まれています。農業施設の管理組合/委員会の主要なメンバー(女性を含む)と農家が合同で、施設の維持管理に関する研修を受けることにより、農家の人々が農業施設の維持管理に携われるようになります。

現地からの声

 ヘレン町長(エスペランザ町)町の発展を切に願っているヘレン町長は、オックスファムが設置した農業施設の引渡し式の時、「オックスファムの支援に大変感謝しています」と謝意を述べました。町長自らが先頭に立ち、現場の状況を細かに把握されています。オックスファムは、地域と連携して事業を円滑に進めるため、町の土木技師を派遣し、開発事業への技術的な支援を行いました。




ミンダナオ島・平和構築の支援

 この地域では、フィリピン政府軍とモロ・イスラム戦線(MILF)を始めとする武装組織との戦闘が、40年近くの長期に渡って続いており、人々は紛争に巻き込まれ、生計手段に大きな打撃を受けています。長期化する紛争を終結させるため、フィリピン政府とMILFは2012年11月に「和平合意の枠組み(FAB: Framework Agreement on the Bangsamoro)」に合意し、2016年までに自治政府を樹立して恒久的な和平実現を目指すための道筋を示しました。しかし、住民の間には和平合意の内容が十分に周知されていません。今後の和平プロセスに住民の声やニーズが反映されるようになることが求められています。

1.和平合意の枠組(FAB)に対する透明性の確保
・ フィリピンの現地NGO(パートナー団体)を支援し、フィリピン国内の市民社会組織(NGOや住民組織)の連携を強化
・草の根レベルでの現地住民へのFABの内容説明と協議を実施

2.和平枠組みに関する社会認識の向上
・ 現地NGO(パートナー団体)と協力し、図や絵を用いた和平合意の枠組(FAB)に関するリーフレットを英語とフィリピンで使われる現地の言語(タガログ語やビサヤ語)で作成し、現地住民に配布
・ ムスリム・ミンダナオ自治区において社会的な地位が低いと言われている、イスラム教徒や先住民族の女性の意見を聞く機会を提供



フィリピン台風30号(ハイエン)被害緊急支援

2013年11月8日(金)、観測史上最大規模の大型台風30号(ハイエン)がフィリピン中部を直撃しました。被災地では何十万人もの人々が家を失い、食料や安全な水を得られない状況にありました。オックスファムはいち早く現地入りして、状況を把握し、2014年4月までに73万人に支援を届けました。
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