オックスファムは、世界90カ国以上で貧困を克服しようとする人々を支援し、
貧困を生み出す状況を変えるために活動する国際協力団体です。

ベトナム

OGB_47646_p9_ptlam-scr.jpg

ベトナムは、安定した経済成長を続けている国の一つですが、貧困率の低下は鈍化傾向にあり、国民の格差が広がってきています。例えば、ベトナムは世界第2位のコメ輸出国ですが、2008年の食料価格高騰以降、高水準で推移するコメ価格に相反するように多くのコメ農家の生活は苦しくなっていると報告されています。また、急速な生産量の増加は、化学肥料や農薬などを多用した高投入型農業の推進によって支えられており、中長期的な持続可能性や環境への影響が指摘されています。

また、ベトナムでは、日本でもなじみ深いブラックタイガーやバナメイエビの養殖が盛んで、主要な輸出産品のひとつです。生産量拡大の牽引役は、集約型養殖という高密度の養殖方法ですが、残留抗生物質の問題や養殖池による環境破壊などが指摘されてきました。一方で、小規模で環境持続可能性の高い粗放養殖を営むエビ養殖農家の多くは、地理的に点在していることによって仲買人に対して交渉力がなかったり、養殖技術を学ぶ機会がなかったりするなど、生産量、収入の増加、生活向上のための様々な課題が残っています。

オックスファム・ジャパンの活動

小規模コメ農家支援のSRI農法プロジェクト
女性のための経済的リーダーシップ推進プロジェクト
食料価格高騰と貧困層への影響に関する調査


小規模コメ農家支援のSRI農法プロジェクト

ベトナム2.jpgオックスファムは、2006年以来、ベトナム農業農村開発省(MARD)と協力し、小規模コメ農家の支援策としてSRI(System of Rice Intensification)農法の普及に取り組んでいます。SRI農法では、稲作における苗、水、農薬の使用量を減らしながら土壌改善を進め、収穫量を増加させることができます。伝統的な稲作農法と比較すると、1ヘクタールあたりの収穫量が500キロ増加し、平均130ドル収入が増加します。また、農家にとって平均で、種や苗の購入費用50~70%、肥料使用20~40%、農薬使用80~100%それぞれ削減することができます。


女性のための経済的リーダーシップ推進プロジェクト

ベトナム3.jpgベトナムの少数民族の多くは、僻地や山岳地帯を居住地域とし、社会経済的にも隔離され、貧困率が際立って高いのが特徴です。オックスファムは、ニン・トゥアン省において、少数民族ラグライ族の女性を対象に経済的リーダーシップを推進するための支援を実施しています。オックスファムの支援で生産者組合を設立し、投入資材やローンの唯一の供給者として圧倒的な交渉力を持っているトレーダーと女性の力関係を変えていくことに成功しています。また、こうした生産者組合は、農業、畜産、マーケティング技術のトレーニングやビジネス手法を広める役割も果たしています。オックスファムのプロジェクトは、言語の障壁や地域的な隔離によってもたらされる課題を改善し、家族や社会内におけるラグライ族の女性の地位向上をもたらしています。

GROWキャンペーン

1. 政策提言活動
ベトナムで広がりつつある格差を受け、人々の生活の全体的な底上げを目標としていた今までの支援から、対象をより丁寧に特定し、環境持続可能性を十分に考慮したものへと、支援のあり方も変わりつつあります。目指す社会のあり方を据えたアドボカシー(政策提言)活動が、支援現場において果たす役割がより大きくなっています。
このような実態を受け、ベトナムでは、環境持続可能性を考慮した小規模農家の収入増と人々の生活向上支援策などを中心に、政策提言に力を入れたGROWキャンペーンを展開しています。

2. 食料価格高騰と貧困層への影響に関する調査
オックスファム・ジャパンは、高いコメ価格によって誰が利益を得ているのか、食料価格高騰がもたらすコメ農家への影響とその原因を明らかにすることを目的とした調査プロジェクトを支援しています。この調査は、食料価格高騰と貧困層への影響やその構造を明らかにすることを目的として、世界10カ国で行われているオックスファムのグローバルな調査プロジェクトの一環です。途上国の小規模農家は、世界の食料を生産しながらも、飢餓人口の6割を占めています。こうした調査を通じて国際食料システムの構造を明らかにし、小規模農家に資する農業支援や投資のあり方についての具体的政策提言につなげ、飢餓や貧困を生み出す構造を根本的に変えることを目指しています。

Oxfam today 活動情報(ベトナム)