オックスファムは、世界90カ国以上で貧困を克服しようとする人々を支援し、
貧困を生み出す状況を変えるために活動する国際協力団体です。

3/28(木)開催:「SDGs時代における東アジアからの開発資金の潮流と課題」開催報告

3月2日(木)と3日(金)にかけて、法政大学市ヶ谷キャンパスで、特定非営利活動法人オックスファム・ジャパン主催、法政大学国際文化学部SDGs市民ネットワークが共催、国際連合開発計画(UNDP)駐日代表事務所CSRアジアの後援を得て、マルチステークホルダー国際シンポジウム「SDGs時代における東アジアからの開発資金の潮流と課題」を開催しました。

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持続可能な開発目標(SDGs)への取り組みを念頭に、これまでのODA(政府開発援助)から新興国が勃興し、先進国の財政に厳しさが増すなかでの「南南協力」や「官民連携」事業へのシフト、そして民間セクターの「役割」においては「CSR」から「CSV」へ、「責任」においては「ビジネスと人権」へのシフトのなかで、アジアの開発における公的資金ならびに民間資金の役割について考える機会となりました。会場には両日それぞれ学生から社会人、関係者あわせて100名程の参加者にご参加いただきました。また登壇者としてはNPO/NGOの実務者12名、研究者10名、政府関係者7名、企業関係者5名などセクターを超えた国内外の方々にお話し頂きました。

詳細につきましてはこちらのプログラムならびに登壇者詳細をクリックして下さい。

初日のプレナリーセッション「開発援助と公的資金」ではSDGs達成に向けた東アジアからの開発資金の経緯と動向を概観しながら、SDGs時代における援助の役割としてのアカウンタビリティーとオーナーシップにフォーカスを当てながら考察し、アジアの女性へのエンパワメントをも志向しました。「民間資金」セッションではASEANにおける産業構造の転換とFDIのトレンドを踏まえて今後の日本社会への方策をも示す一方、SDGsにおける民間セクターの役割を再考しつつ、長期的展望に立ったより人間主義的な経済を提言しました。

翌日午前のプレナリーセッション「SDGs達成に向けた協働のために / それぞれの視点から」では日本社会総体におけるSDGsへの取り組みを分析しながら今後高まる民間セクターの役割を分析したもの、日本企業への要望として従来型の差額をベースとした経済からの脱却を訴えたもの、SDGsのビジネスにかかわる部分への国連の新たな取り組みを紹介したもの、主に環境という観点からSDGs達成のためのセーフガードの役割について解説されたもの、日本の市民社会からの提言として『誰一人取り残さない』の実現を訴えたものなど、各界からの取り組みや提言が紹介されました。

ランチブレークを挟み、午後は二つの分科会をそれぞれ会場を移して、専門的な議論を進めました。

「サプライチェーンにおける取り組みと課題」分科会ではフィリピンのバナナ産業における諸課題について厳しい実態とそのための処方箋として、「シェア」の深化とともに、企業側の努力のみならず消費者への呼びかけをも含むものでした。続いてサプライチェーンをめぐる民間セクターの先進的な取り組みの事例報告があり、日本におけるISO20400と持続可能な調達についての説明がありました。

「官民連携事業(PPP)」分科会ではフィリピン南北通勤鉄道事業の事例を通し、開発によって貧困層におきる問題として社会関係資本に着目したユニークな視点が提供され、次の対ミャンマー投資事例では日本と中国それぞれの問題点が指摘されました。最後に日本のODAと官民連携をオックスファム報告書『アカウンタビリティーとオーナーシップ』をベースに検討しましたが(下記PDF参照)、両分科会では共通してオーナーシップにおける透明性とデューデリジェンスの確保、アカウンタビリティーの重要性が強調されました。

最後のプレナリーセッションでは投資保護と公益保護の融和について投資協定とCSRの発展という観点からの非常にタイムリーな報告があり、民間セクターとSDGsについてはユニリーバを題材とした事例が紹介され、最後に今後の課題と展望をもって締めくくりました。

複合的なテーマであったため、参加者の年齢や所属も幅広く、同様に各議題も多様な視点からSDGs達成を志向しながら、かつ各所にオックスファムの登壇者を配することでオックスファムの専門性はもとよりそのカバーする包括性を十二分に提示しえた本シンポは非常に中身の濃い、有意義な内容となりました。ほぼ2日間を費やしての国際シンポジウムでしたが、アンケートにはもっと時間がほしかったといった声もあるなど、オックスファム・ジャパンの今後への取り組みに寄せるさらなる期待も示されていました。

開発資金本来のあり方と今後を考えるための手がかりに本イベントがなりえたことを願いつつ、本事業へのご支援くださった方々、当日ご多忙ななかご来場くださった各界を代表する登壇者、および数多くの参加者の皆様に、心から御礼申し上げます。

なお詳細を記載いたします報告書は後日の発表を期しております。こちらのほうもどうぞ宜しくお願い申し上げます。

<オックスファム・ジャパン ディスカッション・ペーパー>
SDGs時代を迎えた日本のODAとその課題
オックファム報告書「アカウンタビリティとオーナーシップ:ポスト2015の世界における援助の役割の視点から」
201703 Oxfam_SDGs_Japan_ODA_FNL2.pdf

活動:調査提言(アドボカシー)
分野:MDGs/SDGs/ポスト2015
国: