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10月2日開催の連続セミナー報告「なぜ今、国際家族農業年なのか?」

10月2日(木)明治学院大学にて、オックスファム・ジャパン共催の連続公開セミナー「食べものの危機を考える」、今年度第1回目となる「なぜ今、国際家族農業年なのか?」を行いました。講師にFAO(国際連合食糧農業機関(FAO)駐日連絡事務所長)のM.チャールズ・ボリコ氏を招き、「家族農業」というテーマに焦点をあてました。平日の夜という開催にもかかわらず、学生をはじめ、20名以上の方にお越しいただきました。

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ボリコ氏から会場への問いかけに挙手する参加者

今回のセミナーでは家族農業についてはもちろん、国連システム内でのFAOの位置づけ、世界の食料問題など、幅広いテーマについてお話いただきました。幼少時代を過ごしたコンゴ民主共和国での経験を交え、家族農業のメリットについて話をしていただきました。アフリカ諸国では、人口の多くが農業に従事していて、農業は食料生産の手段だけでなく、生活に密接に関わる活動です。そして農業に従事する人の大半が家族農家、小規模農家です。家族農業は家族内での絆強化、薬草や植物の伝統知識継承など、家族間のコミュニケーションにおいて重要な役割を担っています。また、家族農業は、コミュニティーレベルにおいて、地域間の助け合い、食料生産の知識交換などで、大きな役割を果たしています。

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参加者からの質問に耳をかたむけるボリコ氏

質疑応答の時間では、参加者より、家族農業というテーマを日本の食料生産における現状と絡めた質問が多く飛び出していました。これらの質問に、ボリコ氏は「世界には全人口に十分な量の食料を生産することができているので、生産量を増やすより、途上国におけるインフラ整備といった、食料へのアクセスを可能にする環境を作り出すことが大切だ」と力強く語っていました。また、食料価格安定のため、生産しすぎないこと、そのために食料投棄を減らすことも欠かせない、とも話していました。

工業化され近代化された大規模農業があたり前のように思われがちな今、家族農業について知り、このような小規模での農業がどのように食料の公正な分配に役立つのか、また家族農業を行う選択肢を可能にすることは、農家としての生き方や尊厳に直結するという点においても、深く考えさせられるセミナーとなりました。

活動:調査提言(アドボカシー)
分野:食料と土地
国: