オックスファムは、世界90カ国以上で貧困を克服しようとする人々を支援し、
貧困を生み出す状況を変えるために活動する国際協力団体です。

12月1日(木)開催:連続セミナー第1回報告「日本の農業から考える、世界の食料問題」

12月1日(木)、豊島区民センターにて、オックスファム・ジャパン共催の連続公開セミナー「食べものの危機を考える」、2015 年度、第1回目となる「日本の農業から考える、世界の食料問題」を行いました。講師には、全国有機農業推進協議会事務局長も務める「さんぶ野菜ネットワーク」の下山久信さんをお招きし、日本の農業についての課題や展望についてお話しいただきました。

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<講師によるセミナー概要>

まず、最初にお話いただいたのが、下山さんの視点で整理された日本の農業の課題についてです。農業従事者の高齢化、耕地面積の推移、近年の農地法・農業委員会の改正と食料自給率の推移、安倍政権下の農政の動き、鳥獣被害の問題、遺伝組換え作物の動向、TPP交渉の内容にいたるまで、日本の農業が直面するさまざまな課題とポイントについて整理いただきました。

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セミナー後半のテーマは、日本の農業の展望についてです。下山さんは、農業をはじめとした第1次産業のあり方を国民一人ひとりが考えることがいかに重要か、そして食料の国家主権の回復が必要だということも主張されました。

重要なアプローチとして、フード・マイレージ、地産地消、産地直売所の普及、生産者と地場産業との連携や学校給食への供給の可能性などを挙げられ、さらには、内橋克人氏の提唱する「FEC自給圏」(F:食料、E:エネルギー、C:ケア)の形成の必要性を訴えられました。

農協に長年勤め、その後有機農業の生産・流通と推進を中心に現場で長年活動されてきた立場からの視点や言葉は、とても重みのあるものでした。

<振り返り>
オックスファムは、すべての人が十分に食べることのできる世界を目指して取り組みを続けてきました。

途上国において、適切かつ十分な食料へのアクセスを実現するための取り組みとして注目されるものに、小規模家族農業の推進、生産者と地場産業との連携、地域内の生産者による学校給食への提供などがあります。これらは、下山さんが日本の農と食の「再生」のために必要と提言されている内容とその多くが重なるようです。

すべての人が十分かつ適切な食料を手に入れるためには、どのような政策や取り組みが効果的なのでしょうか。オックスファムは、これまで人々が農地を奪う「土地収奪」を食い止めること、食料生産とそして食料価格を直撃する気候変動に取り組むこと、そして小規模家族農業を支援していくことなどを提言してきています。

政策の変更に加えて、私たち一人一人の食や農への考え方、日々の消費行動のあり方、そして企業もまた大きな役割を果たします。日本の私たちの農と食のあり方にも引きつけながら、引き続き考え、取り組んでいきたいと思います。

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  • *オックスファム・ジャパンは、「食べものの危機を考える」連続セミナーの目的を、食料をめぐる課題における社会的な議論に貢献することと主に位置付けています。セミナーにおいて示される見解は講師個人のものであり、必ずしもオックスファムの団体としての政策ポジションや見解を代表するものではありません。

  • 活動:調査提言(アドボカシー)
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