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1月25日開催の連続セミナー報告: 食料危機アラートはどうやって出されのか?FAOの情報にアクセスして考える世界の食料問題

1月25日(水)に、明治学院大学の白金校舎にて、特定非営利活動法人アフリカ日本協議会(AJF)、特定非営利活動法人日本国際ボランティアセンター(JVC)、特定非営利活動法人オックスファム・ジャパン、特定非営利活動法人ハンガー・フリー・ワールド(HFW)、明治学院大学国際平和研究所(PRIME)の共催で、連続公開セミナー「食べものの危機を考える」2016年度第2回「食料危機アラートはどうやって出されのか?FAOの情報にアクセスして考える世界の食料問題」を開催しました。

講演では、立命館大学や明治学院大学で教鞭を執る傍ら、現在は理事を務めるアフリカ日本協議会(AJF)の食料・農業問題担当として広く教育・啓蒙活動に尽力されながら、農林業国際協働協会(jaicaf)発行「世界の農林水産業」に掲載される世界食糧農業機関(FAO)の世界食料情報の翻訳に携わってこられた斉藤龍一郎さんから、70年代初めの世界的な食料危機への対応を契機に、現状認識を踏まえて多くの問題提起を行ってきたFAOの世界食料農業情報早期警報システム(GIEWS)が作成する「Countries Requiring External Assistance for Food」の活用方法などを紹介しながら、世界の食料問題について語っていただきました。

食料危機とは「『安心』して『安全』な食料を必要なだけ食べることができない状態」と冒頭で提示されました。「安心」の観点からは局地的なものとして自然災害、紛争などの社会的不安、また上記に起因する流通上の問題があり、さらに世界的なものとして食料が飼料や工業にも供されるものであることから食料価格の高い流動性が問題になっていると指摘。また「安全」からは化学物質や環境汚染、加工・流通過程で起こる事故といった複合的・多角的な視点からの深い分析を、具体的な事例を交え丁寧にお話しいただきました。

その上で斉藤さんは「持続可能な農業」「必要とする人々に食べものを届ける仕組みづくり」に必要なこととして、「from Uniformity to Diversity(画一性から多様性へ)」と題された報告書(http://www.ipes-food.org/images/Reports/UniformityToDiversity_FullReport.pdf)を紹介。また持続可能な食料システムへ向けて報告書が提起する視点として、短いバリュー・チェーンへの転換の必要性も紹介いただきました。これまで、「Uniformity」には効率性の追求といった経済的合理性があったが、クローズアップされている添加物や輸送コストにかかるエネルギーなどに着目するとかえって非効率と指摘し、今後のあり方を考える上で大きな示唆を与えるものでした。

講義後はできるだけ質疑・意見を聞きたいとの斉藤さんの希望もあり、活発なやりとりが展開されました。複合的なテーマであったため、参加者の年齢や所属も幅広く、国際機関の専門家として第一線で活躍されていた方からの現地を熟知する含蓄に富んだコメントもあれば、「これから真摯に取り組んでいきたい」と、大学生からフレッシュな抱負も寄せられました。多様な参加者から色彩豊かな声を聞きだした斉藤さんのお人柄に、思わず戸外の寒さを忘れた参加者も多かったかもしれません。

農業本来のあり方を考えるための手がかりに今回のイベントがなったことを願いつつ、寒風吹きすさぶなか、教室が満席になるまでご参加くださった多くの皆さまに感謝いたします。

活動:調査提言(アドボカシー)
分野:食料と土地
国: