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11月25日開催のイベント報告「国際家族農業年で問われる日本の政策」

2014年11月25日参議院議員会館にて、オルタートレード・ジャパン(ATJ)とオックスファム・ジャパンの共催で、家族農業をテーマとしてフランスのCIRADの研究者を囲む院内集会が開かれました。直前の衆議院解散の影響で、議員の参加は得られませんでしたが、会議室がいっぱいになる状況で問題の重要さを感じている人たちの多さを感じさせるものとなりました。

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元農林水産大臣の山田正彦さんは、TPPが家族農業を破壊し、農水省の進める農業の大規模化は国内農業を脅かすものであるとのお話を頂きました。同時に、TPPは遺伝子組み換え耕作を日本にもたらすとも警告しています。

パルシステム生活協同組合連合会理事長の山本伸司さんは、消費者としての責任について触れました。生産者と消費者が顔の見える関係を構築する生協運動の効果や、産直の世界化を推進する価値についてお話いただきました。

一反百姓「じねん道」の斎藤博嗣さんからは、自然農法を推し進める立場から、農民を支援しようという目線ではなく、生きる上で本当に必要なことを身につけている農民とともに生き、農民から学ぶ姿勢が必要とのお話を頂きました。持続可能な家族的小規模農業は、食糧を確保するだけではなく、生物多様性の保全をはじめ、未来世代の地域や地球環境にも貢献しうる暮らし方であることが認識され始めています。

農民運動全国連合会副会長の真嶋良孝さんは、家族農業経営を推進する農家の立場から、農業の企業化への警笛を鳴らしています。大規模農家と小規模農家の対立は資本・政府と農民の対立であるという認識とともに、自給率を輸入依存率と呼ぶべきとの提言をいただきました。

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オックスファム・ジャパンの森下麻衣子からは、官民連携の進むODA事業についてお話をさせていただきました。アフリカ・モザンビークのプロサバンナ事業では、農業投資が小規模農家の生活を脅かすものとなってしまっています。日本国外でも家族農業を守ることが課題となっています。

こうした報告を受け、フランスの農業開発研究国際協力センター(CIRAD)のお二人からフィードバックを頂きました。

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上席研究員のピエール・マリー・ボスクさんは、農業は他産業のような単なる経済活動ではないことを強調した上で、農業生産と社会との関係を強化する必要を説きました。従来どおりの農業システムで生じた様々なコストを包摂した体制を採るためにも、パラダイムシフトを行うことが大切です。また、背景にある経済システムが同様である限り、それは決して南だけでなく、世界共通の問題であるとの認識を持っているとのことでした。農業における「投資」はそれぞれの地域の状況、自然環境、その地域の生態系をよく知るためのものであるべきなのです。
同僚のジャン・ミッシェル・スリソーさんからは、「農業の工業化」をキーワードに評価をいただきました。また、家族農業の文脈では、農業生産の現場に焦点が当たりやすいものの、食品加工やマーケティングにも可能性があるのではないかというお話を頂きました。

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農業の課題、そして家族農業の可能性について国内と国際的な文脈を踏まえて議論する貴重な機会となりました。
報告会の詳細は、こちら(http://altertrade.jp/archives/8610)からご覧いただけます。

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写真提供:奥留遥樹さん

活動:GROW ,調査提言(アドボカシー)
分野:食料と土地
国: