オックスファムは、世界90カ国以上で貧困を克服しようとする人々を支援し、
貧困を生み出す状況を変えるために活動する国際協力団体です。

東北支援事業「グラスルーツ・アカデミー東北2016 in 福島」

「ウィメンズアイ」は、オックスファム・ジャパン東北支援事業の新たなパートナー団体です。地域女性リーダーやコーディネーターの育成を目的とした「グラスルーツ・アカデミー」を運営しています。オックスファム・ジャパンでは、今年8月上旬のセミナー開催を支援しました。

Fukushima Seminar Oxfam Japan 1N.jpegPHOTO: Oxfam Japan

「グラスルーツ・アカデミー東北 2016 in 福島」
8月5日(金)から7日(日)にかけて福島の蓮笑庵で開催された「グラスルーツ・アカデミー東北 2016 in 福島」には、福島に加え、宮城や岩手からも、地域のために活動している若手女性が集まりました。

「女ならでは」「地域ならでは」「組織ならでは」
初日は、各自の活動紹介を兼ねたワールドカフェ方式ワークショップで課題を洗い出しました。震災以来、一人親家庭や母子家庭の支援を行ってきた方、これから長時間労働の課題に取り組んでいきたいという方など、それぞれの現場や課題はさまざま。それでも、地域で何らかの変革「チェンジ」を起こそうとしながら、「女ならでは」「地域ならでは」「組織ならでは」の課題に直面しているという点では一致していました。

翌日は、初日に洗い出した課題の整理、その原因と解決策の検討、今後のアクションプランの提示までを一気に進めます。グループワークを通じて見えてきた課題は、大きく整理すると、個人としての課題、地域で活動することの課題、組織運営の課題に分かれました。

個人の課題として出てきたのは、押し付けられた女らしさ、仲間づくりの困難など。ネットワークとつながること、コミュニケーションを大切にすること、人の助けを受け入れる「受援力」を育むことなどが解決策として挙げられました。

Fukushima Seminar Oxfam Japan 2N.jpegPHOTO: Oxfam Japan

「自分を信じて貫くこと。ブレないこと!」
地域で活動することの課題として挙げられたのは、価値観の違う人をどのように巻き込むか。そして、多様性を認めない社会でどのように活動していくか。ここでは、共有できる価値観を見つけて突破すること、よそ者だからこそできること、という視点が提示されました。印象的だったのは、複数の参加者が「自分を信じてとにかく貫くこと。ブレないこと!」と言い切ったこと。悩みながらも、前を向いて課題に取り組んできた、彼女たちの地域のリーダーとしての心構えが垣間見えた瞬間でした。


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PHOTO: Oxfam Japan

震災から5年、活動継続の方針と組織運営の課題
そして、活動を数年続けてきた人たちにとって大きかったのが組織運営の課題。震災から5年を経て、資金調達、活動のビジョンや組織の目指す方向性の確認が今一度必要であることが浮かび上がってきました。また「ボランティア」と「善意」の限界、有給スタッフとすることで活動を担う側の持続可能性を確保し、責任の所在を明確化する必要性などが話し合われました。

終盤では、解決策を考える一環として、その場に集まった資源を有効活用するという観点から、それぞれの参加者が提供できるものをリスト化。広報やプロジェクトデザインのアドバイスを提供できる人、チームビルディングやスキルアップのためのワークショップのファシリテーターを務めることができる人。アカデミー参加者の中にたくさんの経験と資源があることを確認。つながり、支えあうこと、そこから今後の展開の可能性が見えてきます。

アクションプラン、それぞれの現場へ
最後のグループワークでは、それぞれ今後のアクションプランを考えて発表しました。名刺を作り、ブログを始め、発信を行うという人。自分たちの活動の評価シートを作るという人。これから地域に出ていく学生からは「学校の授業よりよっぽど授業だと思いました!」との声。そんな彼らは、その学びの経験を他の学生にも経験して欲しいと、すでに地域で活動している参加者を講師として招き、若者向けのイベントを企画すると宣言しました。若い参加者の行動力とバイタリティに、困難な課題に直面して行き詰っていたベテランたちも奮い立たされたようでした。

Fukushima Seminar Oxfam Japan 3N.jpegPHOTO: Oxfam Japan

また、グラスルーツ・アカデミーの今後への期待としては、メンター的コミュニティとして継続していくことなどが挙げられました。マネジメントや組織運営などスキル・トレーニングの機会の提供などを求める声が寄せられ、今後の支援の方向性の示唆となりました。

ジェンダーへの視点
災害などの有事には、女性をはじめ高齢者・障碍者など、社会から周縁化されやすい方々への支援が届きにくいことはよく指摘されてきました。東日本大震災も決して例外ではありませんでした。また、貧困や格差の課題に取り組む上でもジェンダーの視点が欠かせないことは、世界中の現場でオックスファムが学んできたことです。中でも有効な取り組みの一つに、意思決定の場への女性などの参画があります。そうすることで、それまで見過ごさされていた視点やニーズに焦点が当たるようになります。そのような参画には、町づくりや防災対策を話し合う地域の集まりに女性や青少年が参加することから、女性や若い世代の国会議員が増えることまでが含まれます。オックスファム・ジャパンは、私たちのすべての取り組みにおいて、ジェンダーの視点をしっかりと取り入れて活動していきます。

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会場となった福島県田村市の蓮笑庵 PHOTO: Oxfam Japan

活動:緊急人道支援
分野:女性の権利 ,防災
国:日本(東北)