オックスファムは、世界90カ国以上で貧困を克服しようとする人々を支援し、
貧困を生み出す状況を変えるために活動する国際協力団体です。

震災から5ヶ月:熊本地震支援活動の事業進捗報告

前回の事業報告

2016年4月14日以降、熊本県と大分県で相次いで大規模な地震が発生した「熊本地震」から5ヶ月が経ちました。9月2日から3日の2日間に亘り、オックスファム・ジャパンの熊本支援担当スタッフは熊本市を訪問し、現地の被災状況の視察および支援事業のモニタリングを行いました。

現在、被災された方々の多くは仮設住宅やみなし仮設に移られ、855か所あった避難所は閉鎖されつつあります。一方で、瓦礫の撤去や全壊・半壊した建物の修繕はなかなか進んでいません。瓦の生産も追いついておらず、被害が部分的で居住が可能な建物の屋根もブルーシートで覆われているのが目を引きます。これからは、仮設住宅へ移行した後の被災者のフォローが必要だと言われていますが、熊本地震の場合、賃貸住宅などの「みなし仮設」で暮らす方々も多く、被災者のニーズの把握は簡単には進まないことが予想されます。

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事業1:母子の精神的不安の緩和
日頃から子どもたちや家族のケアの大部分を担うのは、多くの場合、母親たちです。震災を経験して心身に大きな影響を受けた子どもたちを支える母親たち自身も震災で傷つき、不安をかかえながら暮らしています。オックスファム・ジャパンが「熊本市男女共同参画センター はあもにい」をパートナー団体として実施している母子の精神的不安を緩和するための事業では、母子のためのワークショップやお話会をこれまでに複数回開催しています。

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9月1日には、「よみきかせ&子育ておしゃべり会」を開催。はあもにいの保育士さんたちによる親子参加での読み聞かせの後には、子育ておしゃべり会。臨床心理士の先生がお母さんたちの話に耳を傾けました。熊本県内の臨床心理士の方々だけでは震災後大きく増えた需要に対応することは難しく、他県からも応援を得て事業を実施しています。今回も長崎から臨床心理士の先生が駆けつけてくれました。お母さんたちと臨床心理士の先生が話をしている間は、保育士さんたちが子どもたちと遊んでいます。

目が届く範囲で子どもたちを遊ばせながら、気軽に集まりに参加し、何気ないおしゃべりをする中で、悩みを相談したり、お母さんたちの不安やストレスを取り除くことにもつながることが期待されるほか、話の中から被災者の現状や支援のニーズが見えてくることも。おしゃべり会終了後も、お母さんたちが臨床心理士の先生とゆっくり話せるよう時間をとっています。この日は九州に台風12号が接近していたこともあり、参加者数は少なめでしたが、終了後もほとんどの参加者が残り、先生とおはなしをなさっていました。

事業2:支援者のケア
オックスファム・ジャパンが「熊本市男女共同参画センター はあもにい」をパートナー団体として行っている支援者ケア。「よりよい支援を続けるための自己メンテナンスシート」を3万部作成し、熊本市の全職員に配布したほか、看護士、臨床心理士のネットワークや教育委員会などを通して配布しました。各センター窓口や講演会会場などでも随時配布しています。

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自己メンテナンスシートの監修を行った土居隆子さん(臨床心理士・活水女子大学教授)によると、「セルフケア」などの言い方をすると、なかなか支援者の方々、特に男性には手にとってもらえないそうです。自分は支援をする側であり、「ケア」を必要としていないと考えがち。頑張れてしまう人は、自身の心のストレスに気づかないことも。「セルフケア」ではなく「自己メンテナンス」という言い方をするだけで、早い段階で、抵抗なく手にとってもらえたりする、とリーフレットの呼び方にも工夫や想いが込められていました。

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「はあもにいのスタッフも全員支援者です。私のスタッフも親しい身内も支援者です。頑張りすぎや無理しすぎに気づけるよう心がけてはいますが、果たしてどこまで実践できているかどうか。私にとっても、これはとても自分ごとです。」と、はあもにい館長の藤井さんは言います。

「熊本市でも、地震対応にあたっていた阿蘇市の職員の自殺が発生してしまいました。こうした話を聞くと本当にいたたまれない気持ちになります。だからこそリーフレットにも『震災支援者公務災害ゼロ運動』と記載しました。」

自己メンテナンスシートは、支援に携わる方のもとに直接お届けするころができます。必要な方は、熊本市男女共同参画センター はあもにいまでお問い合わせください。また、はあもにいのウェブサイトから印刷用データをダウンロードすることも可能です。自らも被災者でありながら、支援者として活動を続ける方々のストレスケアに役立てていただけたらと願っています。

お問い合わせ・ダウンロードはこちらから:
http://harmony-mimoza.org/news/2017/03/post-152.html

メンテナンスシートを使ったストレスケア研修会の報告はこちらから:
熊本市男女共同参画センター はあもにい のFB投稿(2016年8月25日)

活動:緊急人道支援
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