オックスファムは、世界90カ国以上で貧困を克服しようとする人々を支援し、
貧困を生み出す状況を変えるために活動する国際協力団体です。

被災地の若年女性調査報告書と提言

Tohoku Girls' Voicesについて

声が聞こえない、見えない = 存在しない/問題が無い ということではない



オックスファム・ジャパンは、パートナー団体と協力し、東日本大震災後の復旧・復興支援における思春期・若年女性たちが抱える問題やニーズ、そして彼女たちの復興への力を社会科学的な手法で明らかにし、日本の政策、法律、復興事業を整備していくための一助とすることを目的として被災地の若年女性の実態の調査を2015年度事業の一環として行い、この度「Tohoku Girls' Voices」としてまとめました。

reportcover.jpg本調査は、東日本大震災の発生当時、10~20代だった女性たちの生活や心身が受けた影響を、インタビューを通して明らかにしたものです。

被災地では、これまでにもメディアによる「取材」や、行政による実態調査「アンケート」など、住民の実態やニーズを把握するための取り組みが多数存在します。ただ、その中で被災時に10代~20代であった「若年女性」の困難や彼女たちの持っている力について焦点を当てた包括的な分析は見当りません。

若年女性は、年齢が若く健康であるため、一般的には行政の支援対象とは見なされません。しかし、震災後の彼女たちは増大した家庭内のケアワークを負担したり、職を変える必要に迫られたり、進路変更を余儀なくされたり、引っ越しせざるをえなかったりするなど、その後のライフコースの選択で大きな影響を受けています。

にもかかわらず、そうした経験や困難について、彼女たちが積極的に語ることはまずありません。本調査に協力した若年女性たちは、一様に「自分は大丈夫だ」「自分は他の被災者と比べて恵まれている」「困っていることは特にない」と発言しています。行政に対して何かを要望することもほとんどありません。

他方、彼女たちの持つ力も看過されてきました。今回の調査の協力してくれた若年女性たちの中には、震災を体験し、地域のために貢献したいと職業を選択したりボランティアで動き始めた例が複数ありました。しかし、活躍できる場所が限られているなどの困難に直面してすることも明らかになりました。

本報告書の提言部分には、若年女性の困難だけでなく、彼女たちが本来持つ力を分析することで導き出された、被災地復興と日本の発展のために必要な施策を記しました。次世代の力が生かされる復興政策や地域づくりのために、行政や支援団体と共有する予定です。

この調査が実現したのは、調査チームが持つ多様な専門性によるところが大きいといえます。

第一に、若年女性のインタビューを担当したNPO・BONDプロジェクトの参加があります。BONDは、これまで東京・渋谷などの街中で10代~20代少女の話を聞き、フリーペーパー「VOICES」にまとめてきました。こうした少女たちは、行政による支援を必要とする状況にあっても、自ら受援行動を起こすことはまれであり、自分の置かれた困難な状況を言語化する際「死にたい」「消えたい」などと表現するが、詳細は語りません。つまり、少女たちの気持ちに寄り添い、本音や必要とするものについて聞き取るには特殊な技術や専門性を必要とします。BONDプロジェクトのメンバーは、その技術を活用して被災地の若年女性の心の声を聞き取ることに成功しています。

第二に、政策分析を担当したNGO・Gender Action Platform(GAP)の存在があります。GAPのジェンダー専門家による国際潮流と政策枠組みを踏まえた分析により、若年女性達の声を集めた本報告書は、単なるインタビュー集にとどまらず、「意見」や「感想」を超えて政策立案に生かせる提言にまでつながっています。今回、分析を手掛けた2人の専門家は、いずれも、国連における女性政策や開発政策の議論、現場における経験が豊富であり、日本の課題を世界的な文脈に結び付けて分析しています。

第三に、本調査の実現を資金的に支えた、国際協力NGO・オックスファム・ジャパンの存在があります。上述の二団体がもつ専門的な知見や技術を活用するためには、財政的な裏付けが欠かせません。また、各分野の専門家を招き、適材適所のチームワークを組んでプロジェクトを企画運営するためのプロジェクト・マネジメントも必要です。オックスファム・ジャパンは、この役割を担いました。

この調査は本音を聞き取る知見と経験、集めた情報を国際的な観点を踏まえつつ社会学的に分析し、政策提言に結びつける専門性、そして全体をまとめあげるマネジメントをそれぞれ担当した上述の三者が協同して行いました。それにより、日本国内において過去に例を見ない「被災地」の「若年女性」に特化した調査が実現しました。

■報告書ご希望の方へ

この報告書はハードコピーのみの発行・頒布となっております。。
ご希望の方は、大変お手数ですが、次のとおりお手続きくださいますようお願い申し上げます

申し訳ありませんが、現在品切れ中です。
増刷出来次第、頒布を再開します。


1. 報告書代金1,000円を下記のゆうちょ銀行振替口座にお振り込みください。
口座番号: 00140-6-53804
加入者名: OxfamJapan
通信欄: 「若年女性報告書 希望」と明記の上、お名前、ご住所、連絡先(電話番号、メールアドレス)をご記入ください。

2. 返信用封筒(A4サイズの冊子が入る封筒に宛名をご記入の上250円分の切手を貼付)を折りたたみ、上述の郵便局払込み領収書(コピー可)とともに封筒(定型サイズのもので結構です)に入れ、オックスファム事務局へご送付ください。

   〒110-0005
   東京都台東区上野5-3-4 クリエイティブOne秋葉原ビル7F
   オックスファム・ジャパン 若年女性報告書係

3. 領収証と返信用封筒が届きましたら、報告書を1冊入れてお送りします。

活動:
分野:報告書・提言書 ,女性の権利
国:日本(東北)