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南アフリカ現地レポート

パートナーNGO“Let Us Grow" のリーダー、”ママ・ローズ”


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ローズ・タマエさんは「Let Us Grow」の設立者であり、理事長を務めています。「Let Us Grow」はヨハネスブルグから南に40kmのところに広がるタウンシップ、「オレンジ・ファーム」の中にあるHIV陽性者ケア・サポートNGOです。

Let Us Growは、HIV陽性者に対する「ホーム・ベースト・ケア」(訪問介護)や、この非常に貧しいコミュニティにおいて、HIV感染の拡大を食い止めるために若者の中で働く「ピア・エデュケーター」(同じ社会的属性の人に知識を広める啓発者)のトレーニングを提供しています。
「ローズお母さん」として親しまれている彼女は、HIV/エイズと女性への暴力の関係性を、最も痛ましい形で知ることとなりました。

「私は3度レイプを受けました。5歳、19歳、そして39歳のときです。39歳で残酷なレイプを受けときにHIVに感染しました。」
彼女は、複数の男性の犠牲となったのです。 「ある日、私とボーイフレンドが楽しい気分で映画館から出てきたとき、若い男の不良集団が刃物を持って襲いかかってきました。私のボーイフレンドは、私を集団のもとに残して逃げました。
私は抵抗しようとしました。しかし、背中と頭を刺され、血まみれになってそこに倒れました。彼らは、順番に私をレイプをしたのです。
彼らに情けはありませんでした。野外でレイプされ、私の悲鳴は他の誰にも聞こえませんでした。男たちの集団はレイプした後、血まみれになった私をそこに置き去りにしました。」

彼女は何とか自力で警察にたどり着きました。そこにはボーイフレンドがいました。彼は警察に助けを求めに走ったのですが、警察官は助けるどころか、彼を笑いものにしました。警察官たちは、女性を守れないボーイフレンドなど男ではない、とからかったのです。ローズさんとボーイフレンドは笑いの種になり、2人はそのまま家に帰ることになりました。

数日後、彼女は病院に来るよう医師から言われました。この事件の後、彼女は体調が悪く、入退院を繰り返していたのです。医師はHIVテストを受けるよう勧め、彼女はそのようにしました。結果は陽性でした。彼女の家族は彼女を責め、彼女を隔離し、誰も同じ部屋に入ろうとしませんでした。
彼女が部屋に入ると、人々は出て行きました。一人ではやっていけず誰かの助けが必要なときも、誰も彼女を助けませんでした。彼女は誰とも話すことができませんでした。

彼女は言います。「私の友人が、家族のもとを離れてオレンジ・ファームに行くよう勧めてくれました。そのほうが心が安らぐだろうと。しかし、オレンジ・ファームに移った後も、誰も知り合いがおらず、とても寂しい思いをしました。」
彼女は病院に通い続けなければなりませんでした。当時はHIVの治療ではなく日和見感染症の治療を受けていました。当時はHIV/エイズの治療は無料ではなかったからです。彼女は病院で知り合った友達に、AIDSLINKというサポート・グループに入らないかと誘われました。このグループを通して、ローズさんはHIV/エイズの詳しい情報を知ることになったのです。
そして、彼女は、家族から差別されているのは、家族のウイルスに対する無知が原因だと理解しました。

彼女は、家族にウイルスのことを知ってもらうことからはじめました。そして、家族は心の平穏を得たのです。ローズさんは、HIV/エイズと戦う上での最大の問題はスティグマであり、それがエイズによる死の一因となっている、と指摘しています。治療を受けている人々は、治療を受けていることが周りの人に知られるのを恐れているのです、と彼女は言います。
「糖尿病の人がタクシーや公共の場所で注射を打ったり、血圧の薬を飲んだりするのは簡単で、何の違和感もありませんよね。でも、HIVの治療をタクシーの中で行うのはとても難しいことです。何故だか分かりますか?」彼女はがっかりした表情で尋ねました。

「人々はとても慎重になるのです。すぐに、HIV感染者とレッテルを貼られ、差別を受けるからです」 とローズさんは説明します。

彼女はその後オレンジ・ファームのクリニックでカウンセラーとして働きました。そこにはたくさんの人々がやってきます。1996年、そのクリニックでカウンセラーとして働いていた女性達と共に、ローズさんは「Let Us Grow」をはじめたのです。

「この団体が今日に至るまでには長い道のりがありました。上手くいくことも、壁にぶつかることもありました。しかし、この事業をつづきてきたのです」とローズさんは誇らしそうに言いました。
ローズさんと働く若いボランティアの人たちがたくさんおり、そのことが今の自分を支え、希望を与えているのだ、と彼女は言います。彼女がいなくなっても、HIV/エイズやジェンダーに基づく暴力とのたたかいにおいて、若い人々が彼女のあとを引き継いでくれると。

オックスファム・ジャパンの支援先NGO団体「Let Us Grow」の代表ママ・ローズさんと親交の深い小山えり子さんにお話を伺いました。「オレンジファームを訪ねて」をお読みください。

◆現地レポート◆
暴力に異議を申し立てるコミュニティ
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